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注:
(1)CAT−?の現行SARPs要求を満たす場合。
(2)キネマティック方式が必要で、連続性確保のためには多数のアンテナ・受信機の組が必要である。
(3)アンビギュイティ除去と位置校正のためシュードライトを使用する必要があり、一般航法用と別の下方指向性のアンテナを装備する必要がある。
(4)他の用途では不要で進入着陸にのみ必要な機能追加分の費用負担。

 

3.3.6 我が国における精密進入・着陸誘導システムに関する検討

現在ICA0では、精密進入・着陸誘導システムとしてILS/MLSが標準となっており、GPS利用システムの標準(SARPs)を作成中で、マルチ・スタンダード規定になっている。
我が国として、どのシステムを中心に整備して行くのが最適であるかを検討するための参考として最近の動向と、それらを基に検討した結果を以下に述べる。
3.3.4の「我が国における将来の進入・着陸システムについて」にも有る如く、進入・着陸システムは、全空域システムの1つに位置づけられる。このため、ILSの後継システムとしてMLSか?GPSか?の選択は、技術的問題及びセキュリティ等の政策的間題及び経済的問題も解決しているとの条件付きであるならば、GPSシステムが適していると考えられる。
技術の進歩は早く計り知れないものがあり、現時点で不可能と思っても自然現象に反する理論で無い限り、必ず実現するものである。但し技術的に代換え手段の方が容易で経済的な場合な場合、代換え手段で実現されるのは明らかである。問題は、その実現時期であり、それまで現状のILSで問題が無いのか?この点が判断の最大の課題と考えられる。
なお、航空会社(ユーザー)から見れば、SUPPLEMENTALMEANSでは経費的には意味が無く、SOLEMEANSの最終目的が必須条件と考える。
以下にGPS進入・着陸システムに関する先進国である米国を中心に世界的現状を述べる。
米国を主にした日程計画及び現時点での未解決課題を含む技術的現状を基に、?CAOでのAW−OPやGNSSPでの世界標準作成状況(3.3.2の「今後の精密進入誘導システムに関する考察」)を加味し、SOLEMEANS利用可能時期を大胆に予想し、それまで、現在ILSが設置できない空港を含めて、エンドユーザーの航空会杜が「現状のILS利用が満足である」との事であるなら、GPS進入・着陸システムの完成を待つのみである。
然し、それまで待てない、又現在ILSが設置できない空港に早く精密進入・着陸システムをとの事で有れば、今からでもICA0で認められ現在提供可能なMLSを設置して、運航に関する評価データを蓄積し実用化を早急に計画すべきと考える。
3.3.6.1 広域補強システム
現在、洋上、エンルート、進入・着陸用のGPS広域補強システムとして、米国のWAAS、欧州のEGNOSと並び我が国のMSASが提案されている。
航空機は世界各国を移動するため、少なくとも受信側の互換性を維持するために、これらシ

 

 

 

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